PROFILE
女性ボーカル、ミワユータを中心として結成されたロックバンド。略称は「ベスハチ」
バンドの生い立ちやエピソード、ルックスなどから「漫画や映画のようなバンド」と称されている。
- Vocal & Agitation. ミワユータ ¥uta Miwa
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Blood type : AB Birthday : 05/12
作詞作曲を務める女王。包丁を持たせた五歳児の様な人物。
脳炎を患い、幻覚と死の淵を彷徨う。脳障害のリハビリ施設と隔離病棟を経て、ステージに帰還。
MCやブログなど言葉を使う事には定評があるが、数字の認識が出来ない。
愛とガムテープさえあれば何とかなる、が基本理念。
- Drums. 和泉大佐 Colonel Ismi
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Blood type : A Birthday : 04/02
前身バンドからの初期メンバー。
身長186センチ、空手経験あり。
ミワユータのデザインしたタトゥーを入れ、「ベスの白い戦車」の運転手でもある。
キャンプでも海水浴でもゲームをやっている。写真に見えるくらい動かないプレイスタイル。
天然ボケだが、本人は絶対認めない。
- Bass. 菅原俊司 Shunji Sugawara
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Blood type : A Birthday : 03/27
前身バンドからの初期メンバー。
楽器経験すらないのにミワユータにベースを押し付けられ、いきなりレコーディング敢行。
いつも冷静なのであだ名はMr.フラットだが、酔うとサシ飲みでも寝るので、眠りの俊司とも呼ばれている。
バンドの経理もスケジュール管理もこなす。好きな道楽はかに道楽。
- Guitar. こふじ Kofuji
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Blood type : O Birthday : 06/30
別バンドでドラムとして活動していたが、ミワユータに「うちに来なさい」とギターを渡され、弾けないのに加入し即ライブ。
ミワユータの愛犬1号として首輪を付けている。大人としての常識はゼロだが、担当してるグッズデザインはズバ抜けて好評。
何よりビールが好き。
- Guitar. 深見之春 Yukiharu Fukami
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Blood type : O Birthday : 01/27
Elizabeth.eightオリジナルメンバー。2013年5月に「急性骨髄性白血病」と診断され、現在は一時脱退して療養中。
Story of Elizabeth.eight
- Episode:00 ~ 引き抜き、未経験、謎の企み? ~
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ミワユータが初めてバンドを組んだのは17歳の時だった。
他校の軽音部に良いドラマーがいるという噂を聞きつけ、和泉大佐と出会う。
その人間離れしたルックスに「コイツしかいない」と確信したミワユータは、大佐の都合も考えず引き抜きを開始する。
和泉大佐はミワユータにカリスマを感じ、引き抜きを承諾。ELIZABETH.EIGHT の原点となるバンドを結成。
大佐はその時、ミワユータという「女王」に対する忠誠の証としてミワユータ自身がデザインしたタトゥーを両肩に入れている。その後ベーシストが脱退。当時レコーディングが迫っていたため、早急にベーシストが必要だった。
新メンバーの必須条件は「ミワユータに慣れており、女王として尊重できる人物」。
ミワユータと和泉大佐は、共通の友人である菅原俊司に目をつけ、バンドに加入させるために動き出した。当時の俊司は大学生。ただの大学生。音楽好きではあるが、ベースはおろか楽器そのものを触った事すら無かった。
そんな彼を半ば強引に車に乗せ、半ば強引に酒を飲ませ、半ば強引にベースを渡し、半ば強引にバンドに加入させる。
全く楽器経験がなかった菅原俊司は、その一か月後に初めてのレコーディングを経験する事となる。地元の埼玉県を中心に活動中、ギタリストが脱退。当時よく出演していたライブハウスに「ギターマン募集」のビラを掲示。
すると数日後に現れたのは深見之春だった。彼は当時、数々のメジャーバンドでボーカルとして活動していた大先輩である。
メンバー一同は「なにか裏があるに違いない。一体なにを企んでいるんだ。」と怪しんだ。深見は以前にライブを見ており、ミワユータのステージに衝撃を受けていた。
それ以来影ながら動向を見ていたようで、ギタリスト脱退のタイミングで新しいギターマンとして加入を志願してきたのだ。
特になにも企んでいないことが分かったので、加入。その際 大佐と俊司から「ミワユータ取扱説明書」なるものを渡されている。この時点で前身となるバンドメンバーが揃うこととなり、数年の活動を経てELIZABETH.EIGHTとなる。
- Episode:01 ~ ベスハチ誕生。ヒト科子犬との出会い ~
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こうしてELIZABETH.EIGHTの基本となる前身バンドのメンバーが揃い、精力的に活動。
2006年1月1日、ミワユータの心境の変化という理由で「ELIZABETH.EIGHT」に改名。同時に「ベスハチ」という略称まで命名した。ELIZABETH.EIGHTとして活動をはじめて間もなく、のちにメンバーとなるこふじと出会う。
とあるライブの打ち上げにて、その日初めて共演したバンドのドラマーがミワユータの隣に座った。
彼はベスハチメンバーに非常に懐き、それはメンバーにとっても珍しい事だった。犬のように懐いてくる彼に対し、ミワユータは「ヒト科 子犬」と例えた。のちに彼はバンドを脱退し、新たな活動場所を見つけるべくELIZABETH.EIGHTのローディーとして行動を共にする事になった。
違和感なくメンバーに溶け込んでいく様子に、ミワユータは「あんた、おもしろいからウチに入んなさい。」と言い放った。しかし彼はドラマーである。すでに和泉大佐というドラマーが存在するバンドに加入できるものなのか、と戸惑っていると
「ギターで。」という言葉がすぐにやってきた。ツインギターなら問題ないだろうという事である。
なるほどそれならば問題ない。ギターを弾いた事がないだけで、加入には問題ない。
そう判断したヒト科子犬は後日ミワユータ、和泉大佐と共にペットショップに行き、犬用の首輪を与えられた。そして「こふじ」と名付けられ、ELIZABETH.EIGHT2人目のギターマンとなったのである。
- Episode:02 ~ 成長するライブバンド!成功と受難 ~
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5人組となったELIZABETH.EIGHTは活動をより精力的に行った。
自主レーベルを立ち上げ、全国リリース、ツアー、ワンマンライブ。ライブこそ真骨頂と自負し、関東を中心にその数は年間100本を越えた。
ツアー先では必要以上にストイックな食生活で、主食はマヨネーズを付けた食パン。
各地を渡るうちに缶詰やインスタントラーメン、果ては野菜やカセットコンロまで差し入れをいただいた。無所属のインディーズバンドの活動限界を拡げようと、ザ・ハンズインポケッツと結託しSHIBUYA AXでのツーマンライブを企画。
誰もが不可能だと言った。無謀。無茶。何故そんな事をするのか。そのたびミワユータは「大きい会場でやりたい。」と、とてもシンプルな答えを返した。
2010年12月14日、SHIBUYA AXには予想をはるかに超える人数が集まり、ライブの開始を知らせるSEが流れると会場が震えるほどの歓声が起こった。
実現は途方もなく大変ではあったが、多くの仲間たちの力に支えられたからこその大成功だった。その後もCDのリリースやワンマンライブ、初のiTunes配信などを行い、精力的な活動を続けるELIZABETH.EIGHT。
しかし2013年、深見之春が体調不良を訴え病院へ。
検査の結果、「急性骨髄性白血病」と診断された。
- Episode:03 ~ 強大な敵!戦い続ける決意 ~
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「急性骨髄性白血病」と診断された深見之春は、メンバーにメールを送った。
最年長であるからこそ足をひっぱる事がないよう気をつけていた事。
それでも病気になってしまって申し訳ない、という事。
余命が数ヶ月と宣告された事。報告を受けたメンバーはすぐには返信できなかったが、皆気持ちは同じだった。
「病気を治して戻ってくるまで、ELIZABETH.EIGHTは4人で頑張る。深見の帰る場所はここにある。」
深見之春の病名を発表し、療養の為一時脱退という扱いとして4人での活動は続いた。
こふじが唯一のギターマンとなり、サポートメンバーを起用する事もなく、ライブ活動と新しいアルバムの制作を行う事となった。その後、深見之春は1度回復を見せ一時的に退院まで果たしたのだが自宅療養中に再発が認められ再入院。
再発した白血病の快復は非常に難しく、移植手術を受けるための適合者が現れるのを待つしかなかった。
- Episode:04 ~ 音楽を奪われた女王 ~
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深見之春の一時脱退による大きな損失は、さらなる活動の飛躍でしか挽回できないと判断したELIZABETH.EIGHTの4人は
新しいアルバムのリリースとワンマンライブ、そして全国ツアーを行う事を決定した。ライブ活動を続けながらの新曲制作、レコーディング、ワンマンライブのリハーサル。
リリースも近くなり、ツアーの日程も決めていこうという矢先であった。2014年 ミワユータ、脳炎により緊急入院。
「脳炎による発作で倒れ、病巣が位置的に手術不可能。このまま命を落とす危険があり、一命をとりとめても障害が残る可能性が高い。」
担当医からは言いようのない絶望が伝えられた。数日後、なんとか命をとりとめたとの報告を受けメンバーは見舞いに行ったが、ミワユータは後遺症のためまともにしゃべれず、半身も麻痺していた。
メンバーは毎日病院へ通った。良くなっているのか悪化しているのかも分からなかったが、さらに衝撃的な事をミワユータから聞かされる。「音楽が聞こえない」
失音楽症。脳炎による後遺症のひとつだが、とても珍しいものだという。音楽を音楽として認識できなくなる症状だった。
音はただの「音」であり、リズムも旋律も認識できない。歪んだギターの音など、ただの「雑音」。ミワユータはボーカルであり、作詞・作曲者でもある。そのアイデンティティを失う事によるストレスは壮絶なものだった。
手の麻痺も残っている。文字を書く事もできず、構音障害により呂律もまわらない。
幻覚、幻聴、悪夢、そのうえ歌も失った。ミワユータは絶望した。そんな中、残ったメンバーは集まってELIZABETH.EIGHTの今後についてのミーティングを行った。結論は「活動続行」。
医者の言うように、一生障害が残るかもしれない。介護が必要になるかもしれない。復帰は無理かもしれない。
それならばなおさら、ミワユータが作った曲を、ミワユータが書いた歌詞を、ミワユータが育てたバンドを終わらせるわけにはいかなかった。
深見之春とミワユータの復帰を信じているからこそ、ELIZABETH.EIGHTを止めるわけにはいかなかった。
- Episode:05 ~ 信じて待つ!無敵のロックンロール! ~
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ミワユータは毎日幻覚や幻聴に苦しんだ。時には夜中に泣き出し、拘束具でベッドにつながれた。
記憶障害により、あらゆる事が思い出せない。本名、生年月日、住所、電話番号。
覚えていたのは「1/27, 3/27, 4/2, 6/30」メンバーの誕生日だけだった。投薬治療により障害は少しずつ回復していったが、失音楽症は続いていた。
童謡の「チューリップ」すら歌えない。テレビを見ても、どの声も同じに聞こえる。男女でさえ聞き分けられない。
聞き分けられたのは「ふなっしー」と「マツコデラックス」だけだったという。メンバーはかわるがわる病院に泊まり込みながら、療養中の深見とミワユータの居場所を守るため、スリーピース体制で活動を続けた。
ミワユータの代わりに こふじがVo&Gtとなりステージに立った。スリーピースでの活動が続くなか、ミワユータは毎日必死のリハビリを行った。その回復力は医者も驚くほどであった。
アルバムがリリースされてしばらく経った頃、ミワユータは退院し、リハビリセンターに通いながらの自宅療養となる。
身体に重篤な障害を残すこともなく退院できたのはまさに奇跡的であり、日常生活を取り戻したミワユータが求めるものは音楽だけとなった。自宅でも相変わらずリハビリを続けていたが、好転は突然訪れた。ある朝いつものように歌を歌おうとしたところ、頭の中にメロディが浮かんだ。
おそるおそる声に出してみると、いつもより歌えている気がした。CDをかけてみると、曲が爆音で頭に流れ込んできた。その時、初めてロックンロールに出会った時と同じ感動を再び覚えた。と、のちにミワユータは語っている。
脳炎で倒れて数ヶ月、ミワユータは音楽を取り戻し始めていた。
- Episode:06 ~ 結束が生む次なるステージ ~
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スリーピースでのライブ活動はELIZABETH.EIGHT既存の曲で行われていたが、「活動を続ける」という事を明確にするため新曲を発表。
制作済みの未発表曲をレコーディングし、シングルCDとして発売した。ミワユータは徐々に音楽を取り戻し、リハビリには曲作りも積極的に取り入れた。
そして 歌が歌えないボーカリストとして何が出来るのか考えた結果、ミワユータによるスリーピースでのミュージックビデオを撮影する事となった。
YOUTUBE にて「監督:ミワユータ」としてPV を発表すると、多くの評価を得た。
のちのELIZABETH.EIGHTのミュージックビデオはすべてミワユータが撮影。
ザ・キャプテンズなどからも依頼を受けることとなり、地上波放送やタイアップなど、監督としても飛躍する。病気の回復を感じた仲間やライブハウスからは講演や朗読のオファーが来るようになり、入院中の体験をまとめた朗読でステージに立つようになる。
その鬼気迫る内容に会場は静まりかえり、朗読が終了すると拍手がいつまでも続いた。ミワユータは歌えない苦しみを、朗読やMV撮影、今後の展望などで紛らわせながらリハビリに励んだ。
残りのメンバーも、来たるべき女王の帰還に向けて精力的に活動をした。企画イベントも組み、ワンマンライブも行った。
新しい仲間もでき、皆ミワユータの復活と本来のELIZABETH.EIGHTの歌声を望んでくれた。
一方スタジオでも本格的なリハビリを開始し、バンドの爆音の中で歌う練習をした。脳炎で倒れてから約1年が経過していた。そして退院後初めてボーカルとしてステージに立つのは、Zepp Diver City Tokyoの大舞台だった。
- Episode:07 ~ 女王復活!歓声と嗚咽のバースデー ~
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ミワユータが脳炎で倒れてから約1年。ELIZABETH.EIGHTはZepp Diver City Tokyoにて行われるイベントを控えていた。
その頃ミワユータはスタジオ練習にも参加し、以前は愛飲していた酒も煙草もやめていたため、歌にも自信を取り戻しつつあった。
スリーピースでのライブハウス出演時には共に会場に行き、ステージを見守った。SHIBUYA AX以来の大きなステージにミワユータの意欲は高まり、メンバーもまた同じ思いであった。
そこで「女王降臨」と銘打ち、完全復帰の前に一日だけステージに立つ事を決定。
駆けつけた仲間やファンは、ミワユータの登場から涙を流し、拳を上げ、大いに盛り上がった。1年ぶりのステージは大成功に終わった。Zeppでのパフォーマンスでミワユータの回復を確信したメンバーは、ミワユータの誕生日イベント当日を女王復帰の日と決定した。
2015年5月12日@新宿MARZ。
「女王誕生祭。を主にシカトする祭り」と題された、毎年ずっと同じ日に続けてきた恒例イベント。
それを「女王復活祭。を何事もなかったかのように過ごす祭り」と銘打ち、この日のイベントでミワユータは復帰した。短い演奏時間の間、満員の会場では女王の復帰を心待ちにしていた皆の嗚咽と歓声が止む事はなく、いつまでもアンコールが続いた。
ミワユータは「復活したんだから、また見に来てよね。」と、もっともな意見でアンコールを断った。
- Episode:08 ~ RevibeとReborn 終わらない物語 ~
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脳炎で倒れてから1年と3ヶ月。ミワユータは奇跡の復活を遂げた。
そこから さかのぼること数ヶ月。とある都内のライブハウスにて行われたイベントにELIZABETH.EIGHTは出演していた。
すると終演後、会場に来ていたミワユータのもとに1人の若手バンドマンが声をかけに来た。そのバンドマンは その日の共演バンドのギターボーカルであり、以前にもスリーピースベスハチと共演していた。
彼は突然「あなたの犬にしてください。」と言い放ち、ミワユータへの忠誠を誓った。聞けば以前の共演の際、ELIZABETH.EIGHTというバンドの姿勢に感銘をうけたという。
ミワユータという人物に興味を持ち、療養中も更新していたブログを読み漁っては、いつか会える日を楽しみにしていたのだ。 ミワユータはそのルックスとクレイジーな発想をいたく気に入り、「2匹目の犬」として首輪を与え、可愛がる事にした。かつての こふじと同様にローディーとして行動を共にしていたある日、幼少期にピアノ歴がある事が発覚。次の瞬間、加入が決定。
「いたる」と名付けられた2匹目の犬は、もちろんキーボード経験はなかった。しかし迷いなく機材を購入し、加入に向けて練習を始めた。
ミワユータの復活から約2ヶ月。ELIZABETH.EIGHTは6人組に生まれ変わり、さらなる飛躍を予感させた。その波に乗ったのか、深見之春にも奇跡的に適合者が見つかり、骨髄移植手術に成功。
毎日ギターを抱えリハビリに励んでいる深見之春の復帰を待ちながら、ELIZABETH.EIGHTの物語は続く。
- Episode:09 ~ 変化と進化 ゼルバニア物語 ~
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いたる加入後、ビジュアルイメージを一新。キーボード加入によって変化したサウンドを象徴するかのように、より派手で華やかなものになった。
従来のガレージロックサウンドにグラムロックの要素が加わり、バンドとして新たな拡がりを見せた。
そしてこふじの加入やミワユータの療養期間などにより活動期間が曖昧なELIZABETH.EIGHTは、2018年を「だいたい10周年」として活動した。
一方で療養中の深見之春にも変化が訪れた。
骨髄移植後、自宅療養に切り替えた深見はリハビリの一環として、また療養中のスキルアップを目指し楽曲制作を始める。
そして「岩下の新生姜」が開催するコンテストに作品を応募、見事「社長賞」を獲得。制作した作品は短いフレーズを編集したものだったが、まだギターを弾ける状態ではなかったため
床に置いたギターを手でおさえ、口にピックをくわえて弾くという壮絶なものであった。ちなみに副賞として「新生姜一年分」を獲得したが、食事制限があったため深見自身は食べる事ができなかった。
2018年、ELIZABETH.EIGHTはコンテスト形式のライブイベント「JAPAN EXPO ROCKS」に参加。
フランス・パリで行われる「JAPAN EXPO」への出場を賭けて優勝を目指した。
勝敗を決めるのは来場者の投票。勝ち上がるためには応援者の協力が不可欠だった。数回行われた予選では、各地から応援に駆けつけてくれたファンや仲間のおかげもあり、順調に勝ち進む事ができた。
そして決勝戦。決勝に至るまで応援してくれた皆の為に、感謝のステージ。会場は大いに盛り上がったが結果は敗退。
応援に報いる事ができず悔しい思いをするが、ミワユータは「優勝はできなかったが、失ったものは何もない。得たものはたくさんある。」と語った。
イベントを通じて、ファン同士、そしてメンバーとの結束がより強くなった事を感じた。新たな出会いもあった。そして何より、ELIZABETH.EIGHTファンに対する「ゼルバニアファミリー」という呼び名ができた。
何の意味もないミワユータの思いつきではあるが、そういうものが長く使われたりするものなのである。
- Episode:10 ~ 揺れた女王制 はじめてのパワーダウン? ~
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2019年、11度目のワンマンライブを行った翌日の朝、key.いたるからの一方的な脱退宣言が届いた。
その後は連絡がつかず、失踪状態となってしまった。あまりにも突然の出来事にメンバーは困惑した。
特に愛犬2号として可愛がっていたミワユータは、ストレスにより前髪が白髪に。食事も受け付けず嘔吐を繰り返した。数日後メールにて連絡を取る事に成功したが、ミワユータは憔悴しきっていた。
メールの中では脱退の意思が変わらない事、決定していたライブ日程もキャンセルする事などが書かれていた。
すべてを放棄する形での脱退となったが、ミワユータはこの件をSNSを通じて発表した。「誰であろうがベスハチを脱退する時は、リーダーであり作詞作曲者である私に全責任がある。どうか彼を責めないでやってほしい。
今後はパワーダウンしたと言われるだろう。優秀だからこそ一緒にやっていた人間が抜けたのだから、パワーダウンするのは当たり前だ。」その独自のリーダー観に、これぞリーダー、これぞミワユータとの声が多数寄せられた。
自身のブログでは「私の愛犬いたるは死んだ。なおさら悪く言うことは許さない」とも発言。
さらに「4人編成にも自信がある。期待してほしい」と締めくくった。
- Episode:11 ~ 幕を閉じた11年 夢の国への道 ~
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2019年5月12日、騒動以前から決まっていた通り
11年目となった恒例イベント「女王誕生祭。を主にシカトする祭り」を終幕させた。
最終回となったイベントは大いに盛り上がり、イベント立ち上げ当時にミワユータが望んだ「究極の内輪ノリ」が存在していた。会場はアットホームな同窓会と化し、イベントの最後にはモッシュ&ダイブ。
鳴り止まないアンコールの中、シカト祭りは盛大に幕を閉じた。
なおイベント終了にあたり、11年間シカトし続けたミワユータの誕生日を祝うべく
「ディズニー処女の女王をランドで盛大に祝う祭り。」が発足。2020年に開催が決定。そしてその後も変わらず、むしろそれ以上のパワーで活動を行う4人。
編成が変わろうともゼルバニアからの愛は変わらず、ライブの動員も増加。
ミワユータも療養中に行っていた朗読での活動を再開、バンドでのライブ本数も増えた。
ブログやnoteといったライブ以外の活動も好評で、パワーダウンは杞憂に終わった。ミワユータ曰く「私がいれば何度でも立て直せる。まず健康であれば何度でも。」
ELIZABETH.EIGHTは変わる事なく、次の作品に目を向けている。
- Episode:12 ~ 激動の始まり コロナがもたらした世界 ~
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4人編成となり、なおも積極的に活動を続けていた2020年、巷では新型コロナウイルスが話題となっていた。
各ライブハウスが感染対策に追われる中「ライブハウスとマスターピース」というイベントにて渋谷クラブクアトロに初出演。
ミワユータは個人的に憧れていたステージに感動。その翌日2月26日には政府から「イベント開催自粛および規模縮小要請」を発表された。各方面でイベントの中止やライブ活動の自粛などが行われる中、ELIZABETH.EIGHTのスタンスは
「主催者が開催を決定する限り出演キャンセルはしない。自らイベントの開催はしない。」というもので日々感染対策に努めた。バンドに対する世間の風当たりも強い中、参加していた「EMERGENZA JAPAN 2020」にて初の無観客配信ライブを体験。
配信ライブという形態の面白さと可能性を感じ、その後の活動に積極的に取り入れていく事となった。
ちなみにその3日後、政府から「緊急事態宣言」が発出された。またもギリギリであった。ライブやバンドというものの在り方が目まぐるしく変化していく中で
無観客や配信といった新しいライブの形を体験し、相変わらず活動は積極的に続いた。
昨年最終回を迎えたはずの誕生日イベントも「女王誕生祭。を生配信する祭り。」として開催。無観客でのリモートトークイベントとなった。
「おうち時間」を利用し、新しいアルバムの制作に向けての準備も進め
ツイキャスにてほぼ毎日生配信の番組「ミッドナイトロデオTV」も開始し好評を得ていたが2020年12月 左胸に違和感をおぼえたミワユータは病院で検査を受け「乳がん」であると診断された。
- Episode:13 ~ 改造人間オッドパイ誕生 ~
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何度目かの絶望がELIZABETH.EIGHTを襲った。
診断の結果を聞いたメンバーはそれぞれ驚きショックを受けたが、次の瞬間には前を向いていた。
ミワユータ本人の不安も相当なものだったが、脳炎の時と比べれば意識があるだけマシだと語った。病気が発覚したあとも決まっていたライブは予定通り出演する中で、12月21日にSNSで病気について発表。
周りの人間は 「そんな事あるのか」 「またか」 「エピソード過多だ」 といった反応を見せた。数ヶ月に渡る検査の中、検査や治療にかかる費用のために「セイブザクイーンプロジェクト」を立ち上げ。
支援グッズの販売や支援金を募らせていただき、たくさんの協力を得られる事となった。
これまでの活動のすべてを肯定されたような感覚と共に、大きな愛に対する感謝の気持ち、そして病気と向き合う覚悟が沸き上がった。そして来る2021年3月12日、ミワユータは左胸全摘出という手術に臨んだ。
仲間の企画イベントなどでそのタイトルや一言を胸にマジックで書いたりした(通称 乳文字[ちちもじ])その左胸である。手術を終えたミワユータは手術跡を見て「気に入った」と呟いたという。
左右で瞳の色が違ういわゆる「オッドアイ」にちなみ、自らのその状態を「オッドパイ」と名付けた。そしてミワユータは自らが体験した不安や葛藤を面白おかしく発信する事を決意。
同じように検査や治療に不安を抱える人のためにnoteにてエッセイ「売れないバンドマンが乳がんになったら」の執筆を開始した。さらに「改造人間オッドパイ」という新曲も誕生。いつか世に出る時を待っている。
- Episode:14 ~ 遂に芸能人!? テレビにネットニュース ~
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手術と抗がん剤治療を終え、ミワユータはスキンヘッドで復帰。手術から7カ月後、2021年10月27日の事であった。
抗がん剤の影響で減った髪の毛をメンバー達の手によって剃り上げる動画をSNSに発表し注目を集めた。
復帰の際ミワユータは「髪や胸を失ったのではない。私は未来を手に入れたのだ。」と発言した。復帰後も自身の検査や治療の様子をエッセイとしてブログに書き続けていたある日
サイバーエージェントから連絡が入りAmeba公式芸能人ブログでの執筆のオファーを受ける。
2022年4月より「あたしバンドマン」というタイトルのAmeba芸能人ブログを開設。
この頃からバンド名の正式表記を「ELIZABETH.EIGHT」から「Elizabeth.eight」に変更。ブログ開設から数日後には「J-POP・ROCK部門ランキング」にて3位を獲得。
ダイアモンド☆ユカイ・龍玄とし・ミワユータという衝撃的な並びとなった。
さらにブログの記事がYAHOO!ニュースに取り上げられるなど話題になり「Ameba Award 優秀賞」を受賞。名実ともに人気ブロガーとなった。一方で病気発覚前から制作していたアルバム「クーガルポクチーニ」のプロモーションとしてラジオやテレビにも多数出演。
これまでのエピソードを語る機会も多く、改めてElizabeth.eightの波乱万丈具合に気付かされる事となった。
- Episode:15 ~ 新世界 嵐のように過ぎ去った15周年 ~
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ミワユータ復帰後はアルバムリリースやMVの発表、ライブや配信など積極的に活動を続けた。
世間的にも外出自粛要請や緊急事態宣言などを経て徐々に規制緩和の流れとなってきていた。
ライブハウスでは有観客&配信ライブの形も珍しくなくなり、盛り上がりを見せるようになった。開催が見送られていたイベントも復活し活気が取り戻されていく中、Elizabeth.eightは2021年に結成15周年を迎えていた事に気付く。
実際2021年はそれどころではなかったため、2022年末に慌てて15周年記念グッズを制作する事となった。
そのためすぐに年は明け、あっという間に17年目に突入。嵐のような15周年であった。2023年を迎え新しい音源の制作を開始するも諸事情により発表が延期。
この年、15年目となる「女王誕生祭。を主にシカトする祭り」を聖地・新宿MARZにて開催。
2019年に最終回を迎えたはずのイベントだが会場や形態を変え毎年行われ、この年ついに過去最高の盛り上がりを見せる。
- Episode:16 ~ 試みと頓挫 タロットが語る問題作 ~
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一方でElizabeth.eightは新曲「死神ガイド」のリリースに向けて制作活動も行っていた。
この楽曲は配信限定リリース、そしてライブ演奏を想定しない曲として作られた。
プロモーションの仕方や楽曲の売り方について新しい方法を見つける為の試みだった。これまでにない規模のミュージックビデオを制作するため、数々の実績を持つ映像作家おしりちゃんに監督を依頼。
衣装や撮影現場、出演者や小道具にいたるまでこだわったミュージックビデオが撮影された。
しかしそんな折、音源編集中のエンジニアが体調不良に倒れ連絡を取る事すらままならない状況になってしまう。
ミュージックビデオの撮影は編集中のラフMIXを使って行われたが、完成は楽曲編集を待つ形となってしまった。エンジニアからの連絡を待つ間ミワユータは趣味で行っていたタロットカードで「死神ガイド」の未来を幾度となく占った。
そのたびに計画の頓挫や中止を暗示するカードや死神のカードが現れた。
タイトルにちなんだカードが頻出する事が占いの信憑性を高め、楽曲の未来に不安がよぎる事もあった。それから半年以上が経ったころ回復したエンジニアと連絡がつながり、そこからはハイペースで楽曲は完成の時を迎えた。
約1年の遅れをもって「死神ガイド」はリリースされ、ミュージックビデオも公開された。
同時にリリースされた「エコノミックザアニマルモンキーチューン」と共にMVは好評を博し、大成功に見えた。しかし楽曲のプロモーションのためラジオやテレビに向けタイアップを持ちかけるも良い返事は貰えなかった。
歌詞の中に出てくる固有のフレーズや企業名、また楽曲そのもののテーマが問題視されたのだ。
あえて攻めた内容にした歌詞が裏目に出た結果だったが、ミワユータをはじめメンバーは皆「そりゃそうだよな。」と納得した。こうして不遇の存在となった「死神ガイド」だが、試験的な楽曲という意味でいえば今後につながる成果を残したといえる。
Digest History
- 2007
-
Gt.こふじ加入。1stミニアルバム「ハチミツゲロン」全国リリース。
初のワンマンライブ「LOVE & THANKS !!」を柏JUDGE(現:柏616)にて開催。 - 2008
-
2ndミニアルバム「キキミミ」全国リリース。
20組以上のアーティストが目まぐるしくライブを行うモンスターイベント「女王誕生祭。を主にシカトする祭り。」発足。 - 2009
-
3rdミニアルバム「アンデッドマン・サード」全国リリース。
ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅱ」を渋谷O-Crest(現:Spotify O-Crest)にて開催。
西川口Heartsにて7日間連続イベント「7days war!!!!」を開催。 - 2010
-
大人の事情により「アンデッドマン・サード -Remix-」全国リリース。
初のプロモーションビデオ「エレベーターガール」をスペースシャワーTVにて公開。
そして自主企画によるSHIBUYA-AXでの2マンライブを開催、一年かけてチケットを販売し、周囲の予想を裏切り大成功を収めた。 - 2011
-
1stマキシシングル「ゾンビーナ」リリース。ライブ会場にて販売。
ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅲ」を渋谷O-Crest(現:Spotify O-Crest)にて開催。 - 2012
-
ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅳ」を柏616にて開催。
配信限定シングル「ピストル」リリース。
ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅴ」を新宿MOTIONにて開催。 - 2013
-
Gt.深見之春が「急性骨随性白血病」と診断され療養のため一時脱退。
ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅵ」を新宿MOTIONにて開催。 - 2014
-
アルバム先行配信シングル「アイアンガール」リリース。YOUTUBEにてミュージックビデオ公開。
Vo.ミワユータが脳炎による高次脳障害および後遺症である失音楽症の療養のため一時脱退。
スリーピースバンドとしての活動開始。
4th ミニアルバム「ラブロベリー」全国リリース。
「ラブロベリー」収録曲「二人は国境線を越える」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
スリーピースでのシングル「stay gold」リリース。TSUTAYA O-Crestにてイベント「ROCK´N HIGH ROLLERS!!!!!」を開催。
「ステイゴールド」「パーティーズオーバー」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。 - 2015
-
スリーピースでのワンマンライブ「LOVE & THANKS 6.5」を柏616にて開催。
Zepp Diver Cityにてイベント出演。Vo.ミワユータが一時降臨。
「アンデッドマンのテーマ」「ミッドナイトアウトサイダー」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
5月12日、新宿MARZにてVo.ミワユータが1年3か月間の療養を経て遂に復活。
Key.いたる加入。
5thミニアルバム「フィクション・ノンフィクション」全国リリース。
1stミニアルバム「ハチミツゲロン」完全版の配信を開始。 - 2016
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ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅶ」を池袋Admにて開催。
池袋Admでの月間イベント「梅雨将軍」にてザ・キャプテンズとのツーマンライブを開催。
老舗イベント「関東ギターエロス」に参加。審査の結果、11月24日にTSUTAYA O-WESTにて開催された「大関東ギターエロス」に出演。
6th ミニアルバム「ASK YOU!!」全国リリース。
「ASK YOU!!」収録曲「ルッキン・フォー・アダム」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
「ASK YOU!!」リリースツアーを開催。
- 2017
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ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅷ」を大塚Hearts+にて開催。
HANKsとのスプリットで北海道ツアーを開催。
茨城県日立市で開催された野外フェス「PLACE 2017」に出演。
主催イベント「女王さまはおアツいのがお好き」開催。The Spanky Mudsと2MAN LIVEを開催。
「ASK YOU!!」収録曲「シャーベットの溶ける速度」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
- 2018
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パリで開催される大規模フェス「JAPAN EXPO 2018」への出演を賭けたイベント「JAPAN EXPO ROCKS」に参戦。
関東圏外で初のワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅸ」を山梨県湯村FeelRockCafeにて開催。
「JAPAN EXPO ROCKS」予選を勝ち抜き決勝に進出。結果は総合4位で敗退。
7th ミニアルバム「リグランド」全国リリース。
「リグランド」リリースツアーを開催。
ツアーファイナルワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅹ」を大塚Hearts Nextにて開催。
- 2019
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ワンマンライブ「LOVE & THANKS Ⅺ」を湯村FeelRockCafeにて開催。
key.いたるが脱退。
11年に渡り毎年行われてきた「女王誕生祭。を主にシカトする祭り。」最終回を開催。
- 2020
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「ライブハウスとマスターピース」にて渋谷QUATTROへ出演。
ドイツで開催されるライブイベント「EMERGENZA 2020」への出演を賭けたイベント「EMERGENZA JAPAN 2020」に参加。
「女王誕生祭。を生配信する祭り。」を開催。
GuReM♂♀N、vono vomnoと共に「生配信スリーマンライブ」を開催。
ツイキャス生配信番組「ミッドナイトロデオTV」を開始。
配信向けイベント「ROCK´N HIGH ROLLERS」開催。
Vo.ミワユータの乳がんが発覚。
「ROCK´N HIGH ROLLERS vol.2」開催。
- 2021
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Vo.ミワユータ 乳がんにより左胸を全摘出。
「あたしバンドマン」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
「The Return Of The Queen」開催。Vo.ミワユータが復帰。
「アイアンガール」のカラオケ配信開始。 - 2022
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8th ミニアルバム「クーガルポクチーニ」リリース。
リリースパーティー「お前もイツメンにしてやろうか!」を西川口Heartsにて開催。
「ロットガットで飛んだ」「stay gold」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
Ameba公式芸能人ブログ内にVo.ミワユータの公式ブログを開設。
ツイキャスメンバーシップ「ミワ先生のほけんしつ」開始。
バンドの正式表記を「Elizabeth.eight」に変更。 - 2023
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ツイキャスメンバーシップ「ベスハチのぞき穴」開始。
「つがい」のミュージックビデオをYOUTUBEにて公開。
Vo.ミワユータの誕生日イベント「女王誕生祭。を主にシカトする祭り」を新宿MARZで開催。15周年を迎える。
スタジオ配信ワンマンライブ「ゼルバーサルスタジオジャパン」発足。
- 2024
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ガムシロップ、トリルダンとの2週連続2マンライブをそれぞれ横浜BAYSIS、浅草Gold Soundsにて開催。
「死神ガイド」「エコノミックザアニマルモンキーチューン」を配信限定リリース。ミュージックビデオをYoutubeにて公開。
浅草Gold Soundsにて自主企画「子供はもう寝なさい!」を開催。
「死神ガイド」「エコノミックザアニマルモンキーチューン」のカラオケ配信開始。
「ASAKUSA ROCK REVOLUTION FES!!」にて浅草花劇場に出演。
「OTONOVA 2025」に参加。
横浜3会場でのサーキットフェス「KANNAI STORM 2024」に出演。